本日3/20は春分の日。西洋占星的に見ると今日の春分の日(春分点)は今後1年全体を占う重要なポイントに当たる日時でもあります。太陽が牡羊座に入ったそのジャストタイムの日時でホロスコープ(春分図)を出し、今後1年間の全体運を鑑定します。今年は2016.3.20 13:30(~13:31)が春分点となります。
今回は、昨年書かなかった春分図について、ざっくりとではありますが読み解いてみたいと思います。


3/20 13:31(本来13:30;41が正確なデータなんですが、敢えて13:31でチャートを出しました)

 manden-horo20160320

太陽が牡羊座0度になった辺りでアセンダント(上昇点)を出すと獅子座7度となります。月は獅子座23度、第1室に居て、5室射手座16度の土星と9室(MC付近でカルミネート)牡羊座19度の天王星と共に角度が緩めではあるもののグランドトラインを形成。アセンダントを確定した時にまず気になるのがこの火の星座のグランドトラインで、国民や民衆の人気を表す月が国そのものを表す1室に居り「伝統と革新」を表す土星・天王星のトラインとグランドトラインを形成していることから、今年は国内外の政情、伝統文化や歴史に関連がある事柄について何か良い方向への革新が起こりそうな予感が。また、権力と反勢力がぶつかり合うような政情不安は薄まり、どちらかというと政治家の権力行使よりも国民に主権を委ねられるような改革があるでしょう。改革の為には伝統を踏まえるか壊すかを迫られるかもしれませんが、火の星座にある土星と天王星が調和座相を形成している為、状況が良かろうが悪かろうがともかくも前進しなくてはならない、それぞれの個性や良いスキルを発揮する事でそれが建設的な改革へとつながる…という感じでしょうか。

そして海外情勢が日本の世相や発展に良くも悪くも影響を及ぼしてきそう。9室には天王星のほかに牡羊座0度の太陽もいて魚座26度の水星と角度的にコンジャクションとなっている関係で、日本を窮地に陥れたり逆に悪い状況から救ったり…というような形で、諸外国の策略や圧力、対抗意識に国自体が翻弄されていきそう。しかし、太陽は5室に居る射手座4度の火星とトラインを形成しているため、意外にものらりくらりと上手く立ち回れそうな予感も。滞った状況を抜け出すには、体力(というか国力)を高めるよう努力するのは勿論の事、状況を見極める判断力とチャンスをうかがって一気に飛び出せる瞬発力が必要となってきそうです。
ちなみに、今年はオリンピックイヤーですが、火の星座でのグランドトリンのおかげでピンチをチャンスとするような競争であれば割と良い成績を残せそうな気がします。次のオリンピック開催地でもある東京五輪のホスト国としての存在感を示せるような成績となりそうです。

もう一つ、大きく気になるのは魚座での水星・金星・海王星・キロンなどのステリウム(惑星集合)が起こること。これらの星は9室カスプを境に8室と9室にまたがって運行しています。水星だけがギリギリのところで9室、他が8室に居ます。この中で、魚座の9度金星と10度海王星のオーブ(度数差)1度以内のタイトなコンジャクションが8室にあるのが気になります。このコンジャクションは、乙女座16度の木星に緩やかながらオポジションを形成。金融や広義な経済状況を表す8室での金星と海王星のタイトなコンジャクションがある為、世界的な金融混乱が起こる可能性は高いと思います。金星・海王星に対し木星が対極に居てオポジションを形成していることから、混乱はより一層の拡大傾向となりそうです。世界の経済勢力図が今年で変わる可能性は極めて高いと言えるでしょう。9室カスプに居る魚座26度の水星がこの混迷の状況を薄めるカギとなりそうですが、対極の乙女座の木星の影響を多少ながらもかぶっている関係で、市場の混乱を余計に高めそうな予感も。いずれにせよ確証の無い情報戦にはあまり関わらずに、自説の論理や今までのデータのほうに重きを置く判断のほうが良いかもしれません。

そして、今回の春分図中での一番気がかりなのが、乙女座の木星(逆行中)と射手座の土星の、いずれも16度での超タイトなスクエア。木星が経済全般、日常的な金運、財産・蓄財を表す2室に、土星がレジャーや楽しみ事、世相や流行、芸術芸能を表す5室に居ることから、国自体や国民の経済状況がひっ迫するような状況に陥りやすいでしょう。楽しみ事よりも家計を取るような形で、生活の中での取捨選択をより一層厳しく迫られ、世間の雰囲気がストイックな「締まり屋」「断捨離」傾向となっていく為、レジャー関連は活発化の様相が見られないかもしれません。
木星と土星のタイトなスクエアは8室にいる魚座10度の海王星とも凶角を取り、2室・5室・8室でのTスクエアを形成。不安定さと緊迫差がもろに雰囲気に現れてくるような、そんな運気が年内のうちの情勢(厳密には今年の9/9まで)を左右してくるのは間違いありません。特に、金融・経済・創造・世相と流行に関する事、特に外国が絡んでくる事については、不安な状況を律するために清めたり本来の目的へ正そうという勢力が介入するなどで、かなりの波乱の様相が予想されるでしょう。


他、こまごまとしたところを順番にザックリ気味に解説します。
2室乙女座16度木星と6室山羊座17度冥王星とのトラインは、ひっ迫する経済状況を打破するための起爆剤となりそうな座相。労働や福祉の問題に何らかの大きな良い発展と改善が見られそう。法整備や労働環境の整理や構築などにより、非正規労働者やニートと呼ばれる層が今後1年の時間をかけて徐々に減る可能性が。国民の健康や安全を守るような公的施設の設置・開設や法律の施行もありそう。年内形成される2室と6室という生活密着の部屋に在る地の星座の木星と冥王星のトラインは、国民の生活の改善にやっと本腰を入れてくるような雰囲気の座相と言えます。全てが一気にガラッと変わる感じではないものの、穏やかに徐々に回復しているような実感が湧いてくるようになるでしょう。

5室には、射手座4度火星と射手座16度土星が入ってはいるもののコンジャクションとなっておらず、度数的に離れて居る位置に居ます。5室の火星はスポーツへの関心を表します。今年はズバリ、スポーツもしくは派手でアクロバティックなアトラクションがある施設が話題の中心に。しかし、土星が2室の木星とスクエアで角度が悪いため純粋に楽しめるようなレジャーの発展や流行の華やかさはあまりありませんが、それでも、土星は9室に居る牡羊座19度天王星とトライン、1室の獅子座23度の月とも良い座相を取っているため、オリンピックイヤーということもあり、人々の関心はスポーツに向かいそうな予感。中でも、オリンピックでメダルが期待されるようなスポーツの人気は急上昇するでしょう。ファッションの流行は、この、5室に火星と土星が入っているのと、運行中の乙女座の木星も相まって、制服っぽいもの・スポーツウェア・アーミールック・伝統的な民族衣装(着物)が流行る予感。木星が乙女座に居る9月までは、その傾向が顕著でしょう。10月以降は運行している木星が天秤座に入るのもある為、徐々にこの流行は収まってくるでしょう。

ライツ(太陽と月)に目をやると、1室にいる獅子座23度の月と8室と9室のカスプぎりぎりで9室に居る魚座26度の、水星のオーブ3度の緩めなクインカンクス(150度)が少々不気味。どんな状況や環境でも、裏交渉や情報戦が幅を利かせてきて事案の結果に大きな影響を及ぼしそう。但し、直感というか、何となく…的な肌で感じるような物事に関しては良い影響をもたらすかもしれません。
 
…と、ここまで春分図チャートを見て来て最も驚いたのが、今年の春分図チャートには風の星座(双子座・天秤座・水瓶座)に天体が一つも入っていないこと。軽やかさや器用に上手く世間の荒波を渡っていくような雰囲気は皆無の1年となりそう。今年の在り方を一言でいうなら『スポ根』でしょうか…とにかく根性を入れて、力強く前進していくような姿を想像していただければわかるでしょうか。全体的な運気としては、走ってばかり・動いてばかりで疲弊しがちな1年となりそうですが、却って遣り甲斐のある充実した1年とも言えそうです。