本日2018年3月21日 AM1:15に春分点となりました。西洋占星的に見ると今日の春分の日(春分点)は今後1年全体を占う重要なポイントに当たる日時でもあります。太陽が牡羊座に入ったそのジャストタイムの日時でホロスコープ(春分図)を出し、今後1年間の全体運を鑑定します。
今年の春分図について、ざっくりとではありますが読み解いてみたいと思います。


2018/3/21 AM1:15
springpoint20180321

太陽が牡羊座0度になった辺りでアセンダント(上昇点 春分図上での表記はASC)を出すと山羊座3度となります。上昇点付近には山羊座1度の火星(第12室側)と山羊座8度の土星がおり、上昇点を基準とした第1室には山羊座の冥王星が入っております。それらの山羊座のステリウム(惑星集合体)は、第4室に入る牡牛座8度の月とはトライン(120度)を形成、第2室に入る魚座14度の海王星とはセクスタイル(60度)を成しています。第3室から第4室の初頭(天底IC付近)にかけて牡羊座でステリウムを成している太陽・水星・金星・天王星とはスクエア(90度)を形成しています。
アセンダントを基準としてこれらの座相を総合して観ると、「基盤を根底から覆す」というキーワードが見て取れます。活動宮の星座(この場合は牡羊座・山羊座)に惑星が集まり、自己主張やアイデンティティの部屋と、知識や情報、基本的な表現力の部屋そして基礎地盤というホームを表す部屋で、活動宮の対立しやすい星座同士がせめぎ合うような攻撃性のある構図が出来ているため、今まで培ってきた技術や知識、感性は、今年からはもっと別の違う形で表現しなくてはならない、そのためにはかなりの苦労と激務を経てこそ再構築されるものであるということを、牡羊座のステリウムそして山羊座のステリウムのスクエアは促していると言えるでしょう。
しかしながらも、山羊座のステリウムにはそれぞれ吉角度を形成している星もあり、火星と土星そして上昇点は牡牛座の月とトライン、山羊座の冥王星は魚座の海王星とセクスタイルを、それぞれ形成しています。また、第3室の牡羊座0度の太陽は第11室に入っている蠍座23度の木星とはトラインとなります。月と海王星は日常(月)そして高次元(海王星)での、共に研ぎ澄まされた感性を表し、木星と海王星は実際的(木星)そして高次元(海王星)の社会性や高潔な名誉を与えてくれます。月と木星と海王星はそれぞれ女性星座(牡牛座・乙女座・山羊座の地の星座グループ、蟹座・蠍座・魚座の水の星座グループ)にあり、柔らかな雰囲気と溢れる深い愛情を纏う運気を与えていきます。自分一人で成し遂げようと孤高な道を歩んでいくというよりは、みんなで一緒に助け合って大きなものへと立ち向かっていこうという気概を持ったほうが上手くいくことが多いはずです。また、自分や身内のためだけにという思いも深まる運気でもあるため、なるべく社会や世の中の全体を意識した生き方のほうが周囲の支持や助けも得られやすく、変化を恐れず思い切ってチャレンジしていくことで自分自身を含めた環境が高みへと昇ることが出来るようになっていくでしょう。
上昇点(ASC)と天底(IC)に星が集中している今年の春分図から社会の動向をみると、世界というよりは世間、スケールの大きな広いソサエティーというよりはローカルコミュニティーのほうに軸足が置かれる、というような形で環境の整備を重点的に、才能の発揮の仕方や表現方法などもピンポイントに集中して力を入れる、というような事柄が多いかもしれません。広義というよりは狭義でのスケールアップをしていかなくてはならないかもしれません。今年度の1年間は、どちらかというと地域社会における自分の活かし方を構築する、地域に根ざした活動を開始していく、人材活用を積極的に考えていく、そのような事柄について重点的に議論が活発化していくでしょう。
そして、今年の春分から来年の春分にかけて、古い価値観と新鮮かつ斬新な感覚との間で激しい衝突が起こりそう。特に教育問題について、活発な議論が展開されていくでしょう。国家戦略としての教育の在り方、企業や労働環境での人材育成、それらについての仕組みを変えていこうという議論が出てきたり、方法論に変化がみられることが増えるでしょう。また、情報システム関連での栄枯盛衰が激しくなる可能性も高いでしょう。たとえば、今まで持て囃されていたシステムが急にトーンダウンして代わりに全く新しい未知の領域にあるともいるシステム体系にスポットライトが当たることとか、そのような事が多そうです。
流行については、伝統的なものが見直され、昔ながらの伝統衣装や制服のような基本が画一的な要素のあるものがファッションに影響を与えていくでしょう。色も華やかなものではなく、モノトーンもしくは逆にはっきりとした原色系辺りが好まれていきそうです。

今年の春分図は、全体的にはっきりとした輪郭のある厳格的なアスペクトを形成しているのですが、その中にあって、社会性を表す南半球(ASC-DSCの地平線より上)・西半球(MCーICの右寄り)の上にありながら月以外の惑星とは座相を形成していないものがあります。それは、第8室に居る獅子座13度のドラゴンヘッド(トゥルー・ノード:月の軌道(白道)と太陽の軌道(黄道)の交差点、いわゆる、月の昇交点。個人ホロスコープチャート上での象意としては、人間関係またはその結合や繋がり、過去生で学んだ良いカルマを表す)です。
社会占星学(マンデンホロスコープ)では、ドラゴンヘッドはこの現在の世の中が過去に起こしてきた歴史的事件などが背景的な原因となるカルマ(所業)、第8室も同じように過去・現在・未来を繋ぎ受けつながれていく価値観、そして生死やカルマや遺伝、そして運命についての意思の在り方を表すハウスでもあります。第8室にある獅子座のドラゴンポイントは、宿命的に抗いようもない大きなものに巻き込まれ支配されていく、それを否が応でも受け入れて自分の身の丈に合った範囲内で実力をしっかり発揮していく、というようなことが起こりそうです。それは、もしかしたら家族に由来すること・関係することであり、一族の念願を果たす役割を与えられることとなりそうです。それは、個人にも言えることですし、国家や団体にも言えることであるでしょう。

ここまで春分図チャートを見て来て、もう一つ大きなトピックだと思われるのが、今年の春分図チャートも、ここ近年の傾向ではあるのですが、風の星座(双子座・天秤座・水瓶座)に天体が一つも入っていないこと。スマートに且つ合理的に物事を進めていこうという雰囲気はあまり見られなさそうです。活動宮である牡羊座・山羊座に惑星や運気の感受点が多いことから直球勝負を余儀なくされそうな気配。それを具現化するために、どちらかというと「泥臭い努力」「伝統を守ろうとする保守性」を頑ななまでに大切にすることにこそ、運気の発展のカギがあるとみてよさそうです。