2021年3月20日 18:37に春分点となります。西洋占星的に見ると今日の春分の日(春分点)は今後1年全体を占う重要なポイントに当たる日時でもあります。太陽が牡羊座に入ったそのジャストタイムの日時でホロスコープ(春分図)を出し、今後1年間の全体運を鑑定します。
今年の春分図について、ざっくりとではありますが読み解いてみたいと思います。

202103201838_Spring-point



2021/3/20 18:38筆者注意:正確には18:37ですが秒数が0の時にはまだ魚座29度にある為、太陽・月・アセンダントの度数が1分(ぶ)ずつ(アセンダントについてはそれ以上の分)ずれますが18:38に設定してデータを出しました。

【2021年はニューノーマル・ニューベーシック…全ての人が社会のあり方について考え基礎から構築し直していく時】
アセンダントから見る全体的な運気~アセンダント及びその他空間感受点に関わる座相について

ホロスコープはほぼ西半球(第4室~第9室)側におり、ボウル型(ホロスコープの半分に偏り、半円のように星が配置されているパターン)のように惑星が各室内(第7室は除く)に配置されています。太陽が牡羊座0度になった辺りでアセンダント(上昇点 春分図上での表記はASC)を出すと天秤座10度18分となります。上昇点の対極にあるのが下降宮(春分図上での表記はDSC)、これは牡羊座の10度ですが、この下降宮・第7室カスプ下の第6室側には牡羊座の太陽、その上には牡羊座のキロンがおり、その下に続くように魚座の金星・海王星が続き、第6室内で近似値でのステリウム(天体集合)を成しています。それらに横やりを入れるような形で第9室に双子座の月・火星・ドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)がスクエア(90度)の角度を取ります。

ホロスコープで社会を見る時に個人での鑑定の仕方と変わることがあり、特にハウス(室)に関しては少々意味合いが変わります。ここではプラシーダスハウス(ハウス分割を時間的に分割する室項法)での占術法で見ていきます。
今年の春分点のアセンダント(以下、ASC)は天秤座10°18' にあります。しかしほとんどのメジャープラネット(10天体)が全て西半球に寄って集中しています。この西半球に集まる惑星たちが表す対外的な形で「相手があること」についての事柄について、社会的意識や更には集合的無意識までもが集中して考え直したり基礎を構築し直したり…と「リ・スタート」の時になると言えるでしょう。
この天秤座10°18'には双子座の火星と水瓶座の土星がそれぞれトライン(120度)の角度を取り、ASC・火星・土星で風の星座(双子座・天秤座・水瓶座)でのグランドトライン(正三角形相)を形成、もしディセンダント(下降点、以下、DSC)の下に含める牡羊座8度のキロンも含めるとなると、カイト(凧帆型相)という特殊座相を形成します。


第6室に太陽を中心に集まるステリウムと他の惑星との関係
一番惑星が集中しているのが第6室となり、太陽・金星・海王星(そして小惑星キロン)が内在しています。第6室は社会に当てはめると勤労・福祉・医療・保障などの順調に社会生活に必要な物を表す象意を示します。第7室のカスプ下に沈む牡羊座00°00'の太陽、そして魚座28°30'の金星・魚座20°59'の海王星のステリウム(惑星集合)が優しさと癒しそして潤沢な恵みを第6室の象意に与えていきます。受け身の状態でずっとやってきた事がなかなか思うようにいかなくなり、主体的に決めて能動的に活動していかなくてはならないという「自己責任」「自助」の精神を育てていくことになるでしょう。
また、山羊座26°27'の冥王星は第4室におり第6室内の太陽・金星・海王星とセキスタイル(60度)を形成しています。基礎(第4室)の立て直し(冥王星)を図るには第6室内の太陽・金星・海王星の表す皆が幸せに暮らせるような社会を造るには優しさと癒しが必要ということになります。そして、金星・海王星のもう一つの意味である「湯水のように溢れ出でる金銭を使って出ないと国民皆の幸せの為の立て直しが出来ない」という示唆も含まれています。まだ優しい運の作用を及ぼす冥王星とは全く逆に、第6室の金星・海王星は第9室の双子座の月とスクエア(90度)を形成、特に、MC(ホロスコープの天頂)にカルミネートされている(天頂付近に近い所に居る)月は大衆や生活を表し、それが同じ双子座に居る火星やドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)と共に上から押さえつけるような形で金星・海王星へ試練を与えていきます。金銭を得るには労働は必須条件でありますが、それが人にとって恵みとなるのか苦役だけの事となるのかを今一度立ち止まって考えいろいろなイメージやアイディアをし、施策を講じていったりしながら試行錯誤を重ねていくことで、新たな社会システムの基礎そして日常生活の構築が為されていくでしょう。
今までのように受け身でいてもなんとなく生活が成り立っていけていた時代、そして安心・安寧・安全な社会状況で生きていくというは、もう終わりとなります。今まで出来なかった所に改正していったり若しくは違う視点から柔軟にモノを見ることで変化を与えていったり、そういった「当たり前」からの脱却そして更新していくことで既成概念を変えることが肝要となっていきそうです。それはより良い改革の布石となり、いろいろな考えや視点を通して大きな発展が叶っていくでしょう。
また、海王星はあらゆる液体そして精神世界や奉仕活動、医療もそうですが薬品を表す惑星で、それが労働や医療や福祉を表す第6室にあり金星とコンジャクション(0度)、そして家庭や地域もさることながら基礎も表す第4室にある冥王星(死や再生、外科的な医療の意味もあり)とセキスタイル(60度)を形成されており、新たな公衆衛生の在り方、そして病気に対抗できる新薬の開発や治療法の確立が期待されるものとなりそうです。

第4室に居る山羊座の冥王星と水瓶座の土星の象意と他の惑星に及ぼす影響
山羊座26°27'の冥王星は第4室におり第6室内の太陽・金星・海王星とセキスタイル(60度)を形成しています。基礎(第4室)の立て直し(冥王星)を図るには第6室内の太陽・金星・海王星の表す皆が幸せに暮らせるような社会を造るには優しさと癒しが必要ということになります。また、金星・海王星のもう一つの意味である「湯水のように溢れ出でる金銭を使って出ないと国民皆の幸せの為の立て直しが出来ないという示唆も含まれています。そして第4室には水瓶座10°24’ の土星もおり、第9室の火星と第6室のキロンと共にミニ・トライン(小三角形相)を形成し、DSCも含めるとカイト(凧帆型相)を形成となります。2020年は「ステイホーム」「ニューノーマル」等という今までの生活概念を覆すような言葉が生まれましたが、2021年はそれを育て成長させていく事となります。
仕事も学業もオンラインで為されるという「やり方」が急遽形成されほぼほぼ家に居ながらにして社会活動が出来るという働き方改革が為されました。しかし伸び率は鈍重というかなかなか上手くいきにくい状況ではあるかと思います(土星と冥王星で重くさせている為)。それでも、土星が水瓶座にあるということは「革新」の要素も土星に含まれていくことで「革新の為の構築」というスタイルで試行錯誤していく事となりそうです。冥王星も山羊座にある為、この1年はまさに「ワークスタイル・リノベーション」ということが重点的要素の一つとなりそうです。
また、「地盤」という意味を持つ第4室に土星や冥王星が居ることから、「地」が関係する天才には注意してください。特に牡牛座の天王星と土星が関わり太陽もかかわってくる4月中旬~5月中旬の間は警戒しておきましょう。

第9室に居る双子座の月・火星・ドラゴンヘッドのステリウムと他の惑星への影響
第9室には双子座の月・火星そしてドラゴンヘッド(トゥルー・ノード)がおり、ドラゴンヘッドを含めたステリウムを成していきます。また、それらは蟹座11度にある第10室カスプでもあるMC(天頂)付近にあり、蟹座のルーラー(支配星)でもある月が最天頂にカルミネートしています。月と火星は水瓶座の土星とトライン(120度)、火星は魚座の水星とスクエア(90度)、月は木星トライン(120度)
昨年の流れから生活の変化が「ニューノーマル」としてガラッと変わるような状況となりましたが、今年はさらにそれを発展させていく、その基盤を築いていくこととなりそう。第9室が示す「外交」や「教育(特に高等教育や研究・学術)」の改善の問題がクローズアップされそうな予感。人と人とが生身で直に会い集うことがなかなか叶うことが無くなってしまった現在、どういう形で構築し発展させていくのをこれからどうしていくべきなのかを考え議論し合う事となりそうですが、それは発展というよりは逆に問題化してしまうかもしれません。
また、第9室は外国や海外や外交の象意を持ち双子座の火星が居ることから、昨年の予定が今年に延期になったオリンピックは開催されると見ています。しかしそれは、同じ第9室に居る同じ双子座の月、そして第6室の金星・海王星が月とスクエア(90度)を形成している為、リスクを伴うことは覚悟の上での開催となりそう。若しくは、双子座の火星と水瓶座の土星とトライン(120度)が形成されているという点から、今までとは違う形での開催が実験的になされる予感が。水星が火星にスクエア(90度)となっていることから、通信・オンラインでの中継という手段が主になりそうな予感が。しかし初めての事にはトラブルがつきもの、いろいろなアクシデントがありそうです。

第5室に居る水瓶座の木星と魚座の水星が形成する座相とその影響
第5室の水瓶座の木星は第9室そしてカルミネートしている月とトライン(120度)を形成しています。木星に関しては、この月-木星のトラインの座相だけとなります。木星は一つの星座に約1年間という期間で移動していく事からその年の「歳運」を表す惑星と言われており、マンデン・ホロスコープ(社会的要素に関するホロスコープ)を見る時に木星がらみの座相を見ることは重要な要素の一つとされます。そして月には木星とは和しないまでも月とコンジャクション(0度)を形成。マンパワーそしてコミュニケーションが力強く発展していく時であり、難事には一致団結して協力し合って成し遂げられることが出来るでしょう。
そして同じ第5室にいる魚座の水星は双子座の火星とスクエア(90度)、牡牛座の天王星とセキスタイル(60度)。コミュニケーションの力はあらぬ方向に行きがちで、話し合いも喧嘩のようになってしまうようなトラブルが起きがち。個性のぶつかり合いが余計なけんかを招いてしまいそうですが、牡牛座の天王星が表す「価値観を認める」「自分で自分を保護する」「人の意見を取り入れる」ということはとても大切な要素となるでしょう。頑なになって自己主張をぶつけるよりは古きも新しきも、その事情や時流にフィットしているのであれば積極的に取り入れるという先取性が必要となりそうです。

第8室の牡牛座の天王星が運気にもたらす影響
第8室は社会的に見るとなると「経済」「遺産」「投機」「財産」などの第2室「金銭」「報酬」「所有物」等というような象意の発展的な形での象意を持ちます。天王星はこの第8室に入っている事から、先述の「経済」や「財」等について得るための状況が今までよりも変わっていく事となりそう。天王星は魚座の水星とセキスタイル(60度)を形成している事からなかなか先に進まなかったり頓挫していたものに関して思わぬ発見がありそうな予感が。それは第8室の前述以外の他の象意である「生命」「性」「スピリチュアル」「歴史」等に関して社会状況を大きく変えるような発見となりそうです。