5月11日午前8:23頃に木星が牡羊座に入ります。この木星の牡羊座入りはこの日から10月28日までの間の一時的なものであり、そうは言っても、約5か月半の間続くものであり、そしてそのあと約2か月後の12月20日から木星はまた再び牡羊座に入り、2023年5月17日までの約5カ月半の間牡羊座を運行していきます。この2つの期間は、牡羊座のテーマに即した「全体の歳運」を表すこととなります。
今回の木星の牡羊座期は、今回の2022年5月11日~10月28日までの間に「行動を起こす」「出発する」等「はじまり」のアクションを起こしていくということやその中で得られた経験を基に礎(いしずえ)を築いていく発展と成功の為の基礎固めの時期であると言えます。
今回の牡羊座の木星は、牡羊座第1デーク(0°~9°)付近を行きつ戻りつして(逆行開始は7月29日午前6時3分 牡羊座8°43' )10月28日には再度魚座入りしていきます。そして約2か月間ほど魚座第3デーク(20°~29°)付近を運行していた木星は、12月20日にはまた牡羊座へと入っていきます。この牡羊座に居る第1の期間(今年の夏〜秋)は、木星を追いかけるようにして5月26日に火星が牡羊座入りして共に並走していき、オーブ(角度差)緩めですが6月12日にはそれまで並走していたのを追い越していきます。火星は元々牡羊座のメインルーラー(主支配星)ですから、その起爆力は凄まじいモノがあります。ここで他と差を大きく広げる為にはスタートダッシュが必要で、それは闇雲に為されるものではなく、あらかじめの準備が必要な物であると言えます。
また、その他の惑星との関係性に於いて、土星以遠のトランスサタニアン(世代天体)とは目立つようなメジャーアスペクトを形成しません。土星以遠の惑星は皆、置かれている星座の後半度数を運行しているからです。一桁台の度数では太陽~火星の個人天体との日常的な角度の形成が為されていきます。木星が牡羊座の初期度数のほうでは辛うじて魚座の海王星とのコンジャクション(0度)の影響は残りますが、後ろ髪を引かれる想いでも前を向いていかねばならぬ、歩み始めた以上は後は振り返らない、というような心の奥底ではあまりすっきりとした気持ちではないという少々のわだかまりを残していく、ともいえるのかもしれません。
また、海王星が発見されるまでは魚座の支配星は木星であったことから、同じ意味合いでも普遍的な意味と高尚高邁な意味との差が生み出す化学反応のような運気の高揚がありそうです。高次元の無意識へのアプローチの機会が増え、純粋な信頼と癒しというテーマの際の無い限りない拡大という象意を表しています。折しも現在、魚座には主支配星となる海王星2025年3月まで滞在しており、木星の魚座入りを経て牡羊座へと歩みを進めていくということは、この魚座の海王星の影響力を多少なりとも残しつつ複雑な思いを抱えて前進していく、それはなりふり構わないものであるとも言えます。潔く吹っ切れるのであれば海王星は木星に対して後方援護してくれるかもしれません。この5か月の期間中に曖昧のままで終わってしまっていたり、雑に扱ってきて有耶無耶のままで力技で何とかねじ伏せてしまった事についての後悔があるのであれば、それが10月28日からの約2か月間のうちに解消・解決していくというような事を半ば強制的にやっておかなくてはならない、それが中心として起こっていきそうです。12月20日からの約5カ月半の間は、また牡羊座に入った木星が本来の力を発揮していく期間となります。だからこそ、この木星の牡羊座期の前半とも言うべきこの約5か月の間に最低でもある程度の目処をつけておかなくてはならないとも言えるでしょう。

また、その木星図(木星が星座移動した瞬間の運行図)を見ると、まず目につくのは第3室に居る乙女座の月に対して南半球の大半(第7室~第11室)が対極にあって配置スタイルがボウル型になっています。この軸になっている第3室乙女座の月は第11室にある牡牛座の天王星とトライン。牡羊座0度の木星は、共に第10室牡羊座にある金星と緩やかなコンジャクション(0度)を形成し、第11室にある双子座の水星とセキスタイル(60度)を形成。また、第9室の魚座の海王星とも緩いコンジャクションを形成しています。

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第3室の月のみが下半球(1~6室)にあり、他の9つの惑星は上半球(7~12室、そのうちこの木星図は7~11室)にあります。牡羊座の木星は第10室、ちょうど天頂(MC)にあり、同じ牡羊座の金星と共にあります。社会の発展と拡大、とりわけ経済に於いて潤沢になるほどの交流を約束されるほどの影響力を持つ木星であると言えます。また、木星とは6度差でのコンジャクション(0度)となる魚座の海王星は同じ魚座の火星と共に第9室にあり、第11室の牡牛座の太陽・天王星とセキスタイルを形成しつつ第7室の山羊座の冥王星ともセキスタイルを形成、この海王星ー冥王星ラインを軸にしたセキスタイルはミニトラインを形成しているわけではありません。第11室の牡牛座の太陽・天王星は第8室の水瓶座の土星とスクエア(90度)を形成(このスクエアが唯一の不調和座相)、同じく第11室には双子座4度の水星もあり第3室に居る乙女座の月とトラインを形成しています。この第11室の双子座の水星は牡羊座の木星そして金星とセキスタイルを形成…と、全てが調和して繋がっています(唯一の不調和座相である太陽・天王星と土星のスクエアが気になる所ではありますが)。この「最初」の牡羊座木星期は黄道12宮のスタートを切るトップバッターと言えます。だからこそ、重要な星の配置であるのだと言えるでしょう。第7室~第11室までの間にひしめく9つの惑星は政治経済の立て直しを図らなくてはならない、これまでの経験や実績、伝統等過去の遺物は全て捨てて新たな気持ちで真正面から社会貢献に取り組む、それがひいては豊かな社会を築き上げられる、という全体主義的な思想から全ての人間が一致団結して取り組んで行くということになるでしょう。第3室の乙女座の月は、実務を伝達や情報を通して繋いでいくことになるという暗示が。しっかりと段取りを組み計画して実直なまでに遂行していく、その為には縦の繋がりよりも横の繋がりを重視するという草の根レベルの活動をしていくことになりそうです。それが横へと広がり対には縦にも広がっていく、そして網の目のような様々なネットワークがどんどん構築されていく事となり、それが社会の在り方や様相となっていくでしょう。

そして、社会情勢や自然災害に関する点からすると、今年の夏~秋の牡羊座の木星の期間中は、魚座から牡羊座に移動する5月中に黄道12宮スタートの時期と重なり5/25には火星が魚座から牡羊座へ入るして並走していくため、その時期は魚座の海王星の影響も同時にある状態になる故、火(牡羊座)と水(魚座)の相反する要素が複雑に絡むような災害や事件事故には十分注意してください。特に、火星が牡羊座に入ってからは「闇雲に暴走する」というような要素も絡んでくる為、慎重な行動を心がけるべきです。
また、魚座に木星が入り同じ魚座内に木星と海王星が居る状態となる10/28~12/20の間は、水や液体に関するもの・人の情念や潜在意識・スピリチュアル的なもの等が絡むものに再度焦点が当たります。事件関係では人間関係の情のもつれやいつの間にか起こしてしまう犯罪、巨額の金が動くような事に関する犯罪等、事故関係では海や河川で起こる事、薬品関係の何らかの事案に注意してください。


1:木星が魚座から牡羊座へ移動…牡羊座の木星とは、そしてその展望
木星は大体約1年間ほどのトランジット・スタイルで運行していきます。しかし1年以上の運行の時もあれば短期間で順行と逆行を繰り返す運行の仕方をする場合もあります。山羊座の時までは1年以上の運行であることが多かったのですが、2020年末に木星が水瓶座に入ってからは、次の星座に移るペースが早かったり逆に次の星座に移って数か月してまた前の星座に再入宮したりするなどしています。それは今回2022年も同じ状況で、前年の2021年12月29日~2022年5月11日朝迄そして10月28日~12月20日迄の期間は魚座にありますが、それ以外の5月11日~10月28日、12月20日~翌年2023年5月17日迄の合計10ヶ月半の間は牡羊座を運行していきます。水瓶座・魚座・牡羊座の辺りを木星は短期間で逆行そして順行を頻繁に繰り返していたのもあり、この3年ほどの期間中はわりと頻繁に星の影響の状態が移り変わっていきます。木星は歳運(その年の運気を観るのにも利用される)と幸運、発展と拡大を表しています。チャンスの神様はかなり駿足で一瞬でかけていくその前髪を捉えるのには瞬発力や目敏さは勿論のこと準備や用意の周到さも必要となって来るという訳です。木星が水瓶座を運行していた頃には同じ水瓶座に土星が移った時期と重なり牡牛座の天王星とのスクエア(90度)の角度を形成していた時もあり、そして魚座に居た頃は先に魚座に居た海王星と同座していました。しかし牡羊座入りすると、土星以遠の惑星では今年の歳末頃(12/20~)に入る2回目の牡羊座期間内の最後のほう(4/13~5/17)に水瓶座0度の冥王星とのスクエア(90度)の角度を形成していきます。今回の1回目の木星牡羊座期は、魚座の海王星とのコンジャクション(0度)の影響をほのかに残しつつ、個人天体(太陽~火星)との角度を形成するのみとなります。日常の中に幸せを見出したり、将来に向かっての種まきをする、等の行動を起こしていくというそんな期間となりそうです。

2:木星に絡むアスペクトから木星牡羊座期間の運気を読み取る  
【第1期の牡羊座期間内の運気の傾向・状況(2022年5月11日~10月28日)】
5月11日午前8時23分に牡羊座に入った木星は、5月25日頃までは魚座の海王星とのコンジャクション(0度)を形成していた頃の影響を暫く維持していきます。そして10月に入ってからはまた魚座に再入宮するまでの期間も魚座の海王星とのコンジャクションの影響が出始めてきます。この辺りの頃は、非常に曖昧で何が何だかわからないような状態であってもとにかく歩みを一歩でも進めておきたい、というような漠然とした不安の中を一歩踏み出していく、というような少し不安定な気持ちを抱えていきながらのスタートを切ることがありそうです。
そのうちに、5月25日には追いかけてきた火星が牡羊座に入り、5月30日には追い越し、そして6月10日木星のそばから離れずに並走していき、まるで木星を先導するかのように牡羊座の火星は木星とコンジャクション(0度)となり、7月5日まで牡羊座内を駆け足で運行していきます。火星は牡羊座のルーラー(支配星)であり、本来の持てる力を思う存分十二分に発揮できる優位の環境にあります。少々一人ぼっち気味で孤立無援のような状態にある牡羊座の木星を力強く後押ししたのちに扇動するかのごとくぐいぐい力強く引っ張っていく、という頼もしい関係性にあります。この、牡羊座の火星が居る間は前半度数(0~14度、今回は8度まで行きそして逆行する)のうちにいろいろなチャレンジをしていく、というのがおすすめではあるのですが、今回の1期の木星牡羊座期での運行状況はほぼ駆け足状態で一瞬のうちに過ぎてしまうので、チャンスを捉え掴む為にはいつでも動ける心構えが必要になって来る、と言えるでしょう。但し、牡羊座の火星が山羊座の冥王星とスクエア(90度)となり牡羊座の木星が蟹座の太陽とスクエアとなる6月下旬から7月上旬までの間は、張り切り過ぎて空回りしてしまうとか計画がとん挫して立ち往生となってしまうなどの急なハプニングにはご注意を。慎重に生きましょう。
そして、太陽が獅子座に入る7月23日から前半度数(0~14度)の間(~8月7日)は、牡羊座の木星とのトライン(120度)の座相となります。この時にまた新たなる段階(ステージ)へ上る人が増えてきます。「機は熟した」と思ったら素早く行動し自己主張をしっかりアピールするなど、表へ出していく事をすべき時と言えます。この時にしっかりとした布石を敷き基盤を築いていくと、第2期(2022年末~2023年前半)に更なる飛躍を望めるでしょう。しかしこの時期、火星が牡牛座に居て同じ牡牛座に居る天王星とコンジャクション(0度)となり獅子座とは不調和の角度(90度)にあることから、勢いはあってもそれが時流に乗るのは疑問だと言えます。それでも、木星は太陽とのトラインの後に獅子座入りした金星とトラインを形成していく事から、行動に移すのではなく感性を表現していくこと、万全のフォローアップ体制を構築しておくことで、感覚の行き違いや齟齬における不調和は多少の緩和が為されるでしょう。
また、金星は7月19日に獅子座入りした後に7月27日まで獅子座の前半度数(0~14度)を途轍もない速さで一気に駆け抜けます。この時期にしっかりと出来る限りの事を隅々までやっておく、手を尽くしていく事が大切であると言えるでしょう。
天秤座の太陽の時期は、特に天秤座の前半度数(0~14度)を運行していく時期に、同様に金星が入り、牡羊座の木星とオポジション(180度)を形成していきます。このオポジションを調停するかのように天秤座の太陽・金星に対して双子座の火星がトライン(120度)となるので、際なくがむしゃらに動くというよりは風のように軽やかにスマートにふわりふわりと行動していく事で幸運をキャッチするチャンスる多く恵まれることとなりそうです。その為には、研ぎ澄まされた品格と洗練、そしてその表現力を、個人天体(太陽・水星・金星)が獅子座に居て牡羊座の木星とトラインを取る時期にしっかり学んだり経験を積んでおく必要があると言えるでしょう。


3.木星の運行の状況とそれに伴うアスペクトとその影響
(1)2022年5月11日~10月28日の期間、木星が牡羊座入り(牡羊座第1デーク0度~8度付近)
この期間中、木星は一度魚座を離れ、次の星座の牡羊座へと移り2か月半滞在します。木星魚座期間内で描いた理想や夢を実現すべく実行に移す時です。木星が牡羊座に入って早々の5月中は山羊座の冥王星とのセキスタイルがまだ形成されているので何とかなりますが、徐々に上手くいかなくなっていく事が増えていきそう。ただ、5月24日~7月5日までの間は火星が牡羊座を運行していく為、5月下旬から6月15日(タイトに行くと6月12日)までの間は火星と木星が牡羊座内でコンジャクションとなるので、成功への足掛かりをつかむならこの辺りがベストでしょう。
また、準じて、獅子座の前半度数(0~14度)に個人天体(太陽~火星)が集まる時、そして天秤座に太陽そして金星が牡羊座の木星と対極にある時期(9月23日~10月6日)には、その時々でチャンスに上手く乗っかっていくことが大切です。そのスキルは火星が牡羊座に居るあたりに培っておくと良いでしょう。

(2)木星の魚座での再入宮(2022年10月28日~12月20日)
再度水瓶座内に返り咲いた木星は、魚座内に滞在中の海王星と再度コンジャクションを形成、山羊座の冥王星とのセキスタイルの形成がフォローアップとなって再び理想への邁進をより一層深めていく事となります。5月~10月の牡羊座木星期の間に出てきた課題や問題に対し、真摯に見直して計画を再構築していく事となりそう。この期間中に解決することで、それが、また再度牡羊座に木星が入った後での揺ぎ無き自信となりそうです。
引き続き形成される海王星と冥王星のセキスタイル(60度)は続き、そこに割り入る形で木星が間に入ることもあってか、政治・思想や主義の主張、宗教や精神世界に対する価値観…等について、基盤が揺らいでしまい立て直しもおぼつかず収拾がつかないというような事が起こりそうな暗示が。不安定な状態の中を非常に危ういバランスの上に乗って非凡な努力をしないとなかなか保てない、というようなどこか心許ないような不安感が生まれるかも。自分の夢の為には気が乗らない事でも飽くなき努力を否が応でもしなくてはならない、というような状況になりそうです。

(3)解説・今年の火星と木星の関係性
火星は個人天体ながらも木星と同じく社会状況に影響を与えることが多く、なかなか無視できない動きをする惑星です。2022年は、10月下旬の木星の魚座への再入宮と同じ頃に、双子座内での逆行があります。
この逆行は年をまたいで翌年2023年まで続く事となり、ちょうど時を同じくして魚座に再入宮した木星と共に逆行して火星ー木星・海王星とのスクエアが形成されることとなる為、その期間は運気模様も乱気流となりがちです。
その他、木星を追いかけて牡羊座に入宮しその後追い越していく火星は、5月23日~6月12日まではコンジャクション(0度)を形成。この頃に、躊躇してなかなか重い腰が上がらなかった事に思い切って果敢に挑戦すると次の2023年の木星牡羊座期(第2期)に更なる成長を見込めるでしょう。